こんにちは!
GMOリサーチの向井と申します。
現在、社内のシチズンデベロッパー、いわゆる市民開発者に向けて業務自動化の支援や、社内のDX化を行っています。
また、社内外問わず勉強会の開催や運営などを行なっています。
今回は、私が弊社への導入や社内のシチズンデベロッパーを支援をする際に、クラウド版Power Automateとデスクトップ用 Power Automateの書籍を何冊か読んだので、その中でもオススメの9冊を紹介します。
ちなみに難易度順に並べており、星1つがやさしく、星3つが難しいとしています。
(難易度については、私の個人的な感想ですので、もしご購入される場合は、見本をご確認の上、ご自身に合っているかご確認ください。)
はじめに⁻Power Automateとデスクトップ用 Power Automateとは
業務自動化に向け、弊社で採用しているRPA(Robotic Process Automation)のツールは、マイクロソフト社のPower Automateとデスクトップ用 Power Automateです。(Power Automate | Microsoft Power Platform)
Power Automateとはクラウド版RPAで、いわゆるiPaaSと言われるものです。
一方デスクトップ用 Power Automateとは、デスクトップで動作するRPAで、画面を操作するのが主な用途です。
Power Automateとデスクトップ用 Power Automateは、名前が似ていて間違いやすいので、Power Automateは以下「クラウド版Power Automate」と表記します。
クラウド版Power Automateとデスクトップ用 Power Automateは無料で使えます。ただし、一部の上位機能を使う場合は有料版が必要となります。
詳しくは「日本一わかりやすい、非公式な Power Automateと Power Automate for desktop のライセンス表」をご参照下さい。
初心者向けRPAオススメ本
できるPower Automate Desktop ノーコードで実現するはじめてのRPA (できるシリーズ)
弊社では、デスクトップ用 Power Automateを使う際に、まず初めに読む書籍として推奨しています。
インストール方法から、実践的なフローの作り方まで紹介してあり、この本に書いてある事が一通りできるようになれば、デスクトップ用 Power Automateは使いこなせるようになります。
第3章の「Excelの作業を自動化しよう」と、第4章の「Webフォームへの入力を自動化しよう」は、弊社の実務でよく使うフローと似ているので、大変参考になっています。
付録には、初心者がつまずくことが多いエラーメッセージ一覧があるので、とてもありがたい内容です。
著者のあーちゃんさんは元事務職で、現在はPower Automateで有名な株式会社ASAHI Accounting Robot研究所さんで働いている方です。
コミュニティ活動にも熱心な方で、様々な発表の場に登壇されており、これからRPAを始めようとする方にとって大変有益な発表をされています。
書籍内でも、初心者の視点でつまずきそうなポイントが丁寧に解説してあります。
しかも、Microsoft MVPを保持しているので、内容は保障済みです!
デスクトップ用 Power Automateをこれから使いたいけど、初めにどの書籍を読んだらいいのか分からない方にオススメです!
難易度 : ★
Microsoft Power Automate かんたん活用ガイド
難易度 : ★
世界一やさしいPower Automate for desktop
デスクトップ用 Power Automateを紹介しており、イラストレーターの、うてのてのさんのイラストが挿絵として使われていて、とにかくカワイイ技術書です。
ロボットの「ぴえ助」、「博士」、人間の「よしお」がオモシロおかしくRPAを勉強していくストーリーです。具体的な図解も豊富に掲載されています。
全体的には初心者向けの内容なのですが、STEP16の「エラーが発生したときに対応できるようにしよう」など、業務で実際に使う実用的な内容も一部書かれています。
著者の清水 理史さんは、できるシリーズなど、多数の技術書を執筆されているベテランのテクニカルライターです。
カワイイゆるキャラで楽しくRPAを学びたい、また、実務でも使える書籍を探している初心者にオススメです!
難易度 : ★
Microsoft Power Automate入門 プログラミングなしで業務を自動化!
メインで紹介しているのはクラウド版Power Automateで、1章分だけデスクトップ用 Power Automateが紹介されている書籍です。
2022年6月20日発売で、このブログで紹介している書籍の中では最新の書籍です。
著者の松本典子さんはデザイナーで、プログラムは一行も書けないとのことです。なので、全体的にプログラム未経験者の視点で書かれており、そのあたりが丁寧に解説されています。
このブログで紹介した書籍の中では、RPA関連の用語の説明が最も詳しく解説されており、IT業界未経験で業界専門用語が全く分からない方にもオススメです。
また、デザイナーの方が書かれたPower Automateの書籍は珍しく、デザイナーが書いた本だけあって図解が多く解説が分かりやすいです。
後半には実例紹介があり、「簡易タイムカード」や「HTTP コネクタを利用 したSlack 連携」、AI Builderを利用した「LINEで使える簡易名刺アプリ( LINE Bot)」など、実際の業務で使いそうな例が取り上げられています。
プログラム未経験でRPAを始めようとしている方にとっては、安心して読める書籍だと思います。
また、著者はアスキーで『松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」』というPower Automateの連載をされていて、とても参考になります。
RPA関連のIT用語(DPAとRPAの違い、iPaaSとは?など)をイチから解説しているので、プログラム未経験で、Power Automateのフローを実例紹介で紹介している書籍を読みたい方にオススメです!
難易度 : ★
中級者〜上級者向けRPAオススメ本
Power Automateではじめる ノーコードiPaaS開発入門
著書の掌田 津耶乃さんは、PHP、Node、Pythonなど多分野で活躍されている、ベテランのテクニカルライターの方です。
初心者向けの書籍は読んだが、次にステップアップする書籍を探している中級者、クラウド版Power Automateをある程度使いこなしている方、プログラマーの方にオススメです。
難易度 : ★★
Power Automate for Desktop RPA開発 超入門
Power Automate自動化レシピ
クラウド版Power Automateの中級者以上や、プログラマーの方にオススメです!
難易度 : ★★
さわって学べるPower Platform ローコードアプリ開発ガイド
はじめてのPower Automate Desktop―無料&ノーコードRPAではじめる業務自動化
第6章の「UIアプリケーションの操作」では、「ロボ研ラーニングApp」という架空のアプリを使い実際にフローを作成していきます。
デスクトップ用 Power Automateの全ての操作方法は、公式ドキュメントを探せば載っている事なのですが、あの膨大な資料から探すのは、これから学ぶ人にとってはとてもハードルが高いです。
なので、デスクトップ用 Power Automateを使いこなすには、このような実践で使えそうな要点がまとめられた書籍での学習が最短の道だと思います。
私の中で一番参考になったのは、第8章の「応用編」です。ある程度、複雑な業務フローを作る際に必要となるであろうポイントが網羅されています。UI要素に変数が使える事を解説しているのですが、この解説をしている書籍は珍しいと思います。
著者のASAHI Accounting Robot研究所さんは、多数のRPA研修をされているとの事で、業務で必要と予想できるポイントが簡潔にまとめられています。また、ブログとTwitterの運営だけでなく、様々なRPAコミュニティで活発に活動されているので、私も参考にしたりイベントに参加させていただいております!
デスクトップ用 Power Automateをある程度使ったが、もっと詳しく知りたい中級者以上の方にオススメです!
難易度 : ★★★
おわりに
今回は2022年に読んだ初心者〜上級者までにオススメのRPA本9冊を紹介させていただきました!
前回は、「2020年に読んだおすすめのPython本7冊」も紹介させてもらっているので、是非ご覧ください。
みなさんも是非RPAを取り入れて、業務効率化を目指してみませんか?