1秒も机に向かわず、JSTQB FLに合格した話

1秒も机に向かわず、JSTQB FLに合格した話

どうも!QAチームのまりあです。

この度、無事に一発で「JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験」に合格できたので(わーいわーい!)、勉強方法と合格までの道のりを紹介したく記事にまとめました。

ネット検索するといろんな人の受験体験談が見つかりますが、環境や実務レベルが自分にフィットしないものが多かったので、私も体験談を発信し、似た状況の方の参考になればサイワイ!と思っています。

ちなみに弊社ではJSTQB FLに関する試験対策の記事も3本掲載しているので、自分に合った勉強法を見極めてくださいね!

関連記事はこちら↓
【試験対策法紹介】QAエンジニアがJSTQB認定テスト技術者資格について解説①
【試験対策法紹介】QAエンジニアがJSTQB認定テスト技術者資格について解説②
【試験対策法紹介】QAエンジニアがJSTQB認定テスト技術者資格について解説③

JSTQB FLとは

正式名称は「JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level試験」で、一言でいうと、ソフトウェアテスト技術に関する入門的な知識を問う資格試験のことです。

「入門」とは言いますが、開発・テスト関連の専門的な用語も多く、テスト業務の実務経験が無いとシラバスの理解も進みにくいほどだったので、「これほんとに入門?!」とツッコみたくなるぐらいの難易度となっています。

無料でダウンロードできるシラバスを見ると、資格受験対象者としてはテスト担当者を始めとしたテスト関連の職種はもちろんのこと、以下のような方にも適切だと記載があります。(一部抜粋)

参照:テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス

  • ソフトウェア開発マネージャー&担当者
  • プロダクトオーナー
  • プロジェクトマネージャー
  • ビジネスアナリスト
  • IT部門長
  • 経営コンサルタント

たしかにテスト技術だけでなく、なぜテストが必要なのか、テストでどのような結果が得られるのか、どの開発プロセスで何のテストが必要なのかなど、テストの活用に関する話題も豊富でした。

これにより、ソフトウェアテストや開発の範囲だけに留まらず、品質管理チーム、プロダクトチーム、マネージャーや管理者といった幅広い職種で役に立つ資格になっているのではないかと感じます。

受験決意時の知識・実務レベル

受験決意時の私の知識・実務レベルはこんな感じでした。

  • 人生の中でテストっぽいことをやったのは、ネットゲームのバージョンアップ時の受け入れテストと、ガラケーモバイルサイトの受け入れテスト、アンケート画面のロジック&動作チェックぐらい
  • QAチームに異動して2年と少し。実質、ソフトウェアテスト実務経験年数とイコール
  • システムテストのテスト設計、実施、実施管理など、プロジェクトのテストを一人でまるっと完結できるぐらいの実務レベル(単体テスト、結合テストはノータッチ)
  • シーケンシャル開発モデルでのテスト実務経験のみ
  • 開発経験無し。プログラミングの基礎の基礎知識ぐらいを保有

テスト技術は上司や同僚からOJTで教えてもらいながら習得したのですが、テストを体系的に学んだことが無く、テスト用語や開発用語の定義もふにゃふにゃだったため、特に開発メンバーとのコミュニケーションクオリティを上げたい!と思ったことをきっかけに受験を決意しました。

勉強方法

さて、ここからが本題です。

私が使用した教材は以下。

最後のお手製テキストだけは、秘伝の書なので皆さんの参考にならなくてゴメンナサイ。

そして、今回のタイトルにもなりましたが、

実は受験を決意してから受験するまでの間、仕事で多忙な時期も多々あり、仕事が終わってバタンキュー(死語)な状況によく陥っていました。

これに加え、腰を据えて受験勉強!だと挫折しそうだったため、机に向かってテキストを開いて勉強するスタイルは捨て、頭がハッキリしている朝の通勤電車の約40分ほどを勉強時間としたのです。

初期~シラバス熟読編~

まずはとにかくシラバスを読み込む。
試験問題はこのシラバスの範囲から出題されるため、とにかく隅から隅まで読み込みました。
最初の1周目は、とにかく分からない用語を潰すことに集中。
シラバスとGoogle先生を行ったり来たりしながら、文章の理解を進めることを第一目標にしました。

特に開発プロセスに関しては、そもそも開発の知識がほとんど無い状態だったので、イテレーティブ開発モデルって何?!フィーチャー駆動開発?スクラム?アーキテクチャってなんだああああ?!と心の中で叫びながら(電車の中だし)、Google先生に助けを求めまくり。

こうして合計3周ぐらいした後は、どうにか何が書かれているか分かるようになりまして、その中でも特に理解不足だった部分をピンポイントで読み直しました。
同時に秘伝の書(お手製テキスト)も読破して、ある程度全体的なイメージが掴めた状態でシラバス熟読フェーズを終えました。
期間でいうと約2~3週間ぐらい。自分でも、丁寧に読み込んだなぁと感じます。

シラバスはオリジナルの英語版を日本語翻訳したものであり、言い回しが独特なので、最初から日本語で書かれたテキストに比べると読みにくい印象です。
振り返ってみると、寝落ちを防ぐためにも立ちながら読んだのは正解だったと言えます。

中期~模擬試験解きまくり編~

次に「テス友」で模擬試験をひたすら解きました。
テス友とは、バルテス株式会社が提供しているスマホアプリで、JSTQB FLの模擬試験が数百問単位で収録されており、回答結果から苦手分野の傾向分析までしてくれます。

おそらく勉強時間の8割以上をテス友と共に費やした。と言っても過言ではないです。

テス友は出題問題数や問題傾向(ランダム/間違った問題優先/シラバスの特定の章を優先)の設定が可能なので、まずは力試しがてら「ランダムで10問」からスタートしました。
自分の解答時間と、間違ったときに解説を読み込む時間を把握するためにライトな条件で開始した感じです。

まあ案の定、最初のうちの正答率は5〜6割で推移。特にシラバスの後半の章での正答率が低く、解説を読んでもすんなりと飲み込める状態ではありませんでした。
また、「最もあてはまるもの」「最もあてはまらないもの」や、「ひとつ選択」「すべて選択」などの読み間違いからの誤答が多いことに気づき、解答選択前に再度設問文の解答指示を読み直す癖付けを行いました。

ざっくりと週3日通勤するとして、朝通勤の3回が勉強タイミング。

たまにゲームしちゃうこともあるので、大体週に2回ぐらい40分みっちりとテス友で勉強するイメージで、約2ヶ月これを続けました。

1回40分 × 2回/週 × 4週 × 2ヶ月 = 640分 = 10.66時間

期間は長いけど思いのほか短時間ですね。

後期~最終仕上げ編~

受験1ヶ月前からは出題傾向を「間違った問題を優先」に変更し、苦手分野克服の最終フェーズに突入。

この時点で残っている苦手分野が「レビュー種別と特徴」「リスクマネジメント」「テストツール」だと分かったため、この分野の問題を徹底的に解きました。
この段階になると、ランダム出題時で7〜8割の正答率、間違った問題を優先的に出題時で6〜7割の正答率まで上昇。
成果が出てきたと実感しだしたのはこの頃です。

間違い優先出題で正答率が8割を超えたのは受験2週間前頃。
この時点で受験出願を行い、当日までのカウントダウンを始めました。
実は受験費用が22,000円とそれなりのお値段だったので、必ず一発合格するべく、絶対的自信がつくまでは出願しないと決めた結果、このぐらいの時期になったというわけです。

ここからは最後の仕上げとして出題設定を40問まで引き上げ(実際の試験は約60分で40問)、出題傾向も完全ランダムに戻しました。
本番を意識し、問題を如何に早く正しく解答するかに集中した結果、最後の1週間の正答率は9〜10割まで上昇しました。

で、受験2日前、なぜかこのタイミングでふと「JSTQB FL 模擬試験」で調べてみたんですよね。今更感半端ないですが。

そしたら、テス友以外に「無料de試験」という模擬試験ツールがあることを知り、早速試したところ正答率7割…。
顔にサーっと縦線が入って青ざめました。

テス友より文章がシラバスの表現に近く、内容が頭に入りづらい。
「待てよ、シラバスから出題されるってことは、実際の試験もこんな文章じゃないのか…?!」と嫌な予感が走ったので、最後の2日間は朝と夜の電車の中で無料de試験の問題を解きまくりました。

これが功を奏して、無料de試験でも正答率9~10割まで上昇。
なんやかんやでギリギリ間に合い、試験当日を迎えたわけです。

受験時の手応え

実際の試験は想像より難しかったです。
他の方の受験体験記を読んでも同様の意見が多いです。

想像通り日本語の言い回しが難しく、また、引っ掛け問題ほどではないですが、しっかり読まないと違う選択肢を選んでしまうような問題があちこちに。
自己採点では正答率7割程度ぐらい??と踏んでいますが、合格結果は合否のみ通知のため、成績を知ることはできません。

解答ペースの時間配分は完璧で、30分経過時に全40問を解き終わり、再度1問目から解答の見直しができるぐらい余裕がありました。
入学試験の鉄則でもあるように、分からなくてもとりあえず最後まで進め、その後に分からない問題を見直すのが大事ですね。

試験終了後は、受験お疲れ様の意味も込め、ねぎしの牛タン定食でランチ。美味しかったです。麦飯もおかわりしました。ご褒美だいじ。

まとめ

日々の多忙な業務をこなしつつ、JSTQB FLを受験しようと思っている方には、通勤中だけ勉強するスタイルを強くオススメしたいです。
(あ、資格取得期日が決められてしまっている場合はオススメしません)

オススメポイントは以下。

  • 1回の勉強時間に制限があるためメリハリを付けやすい
  • 短時間集中できる(特に朝。夜は脳が疲れて集中力落ちがち)
  • 勉強やだーーーってなりにくい
  • 集中してるので通勤時間が短く感じる

反面、短時間しか勉強してないので資格取得までの期間は長めになります。
誘惑に負けがちな人は、途中からスマホ画面がゲームやSNSに変わってしまう可能性も。

それでも無理せず着実に資格取得を目指したい人は、ぜひこの方法をお試しください!

ここまでご覧いただきありがとうございました。
これから受験の方は、健闘をお祈り申し上げます!

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